カウンセラーとして能力が高まる本

カウンセラーとしての能力が高まるお勧め本


★ 創元社の「カウンセラーのための104冊」という本を真似て、作ってみました。

私は、この情報には、数十万円分の価値があると信じています。 最初に偏った情報に触れてしまったために、あとから軌道修正するのに、大変苦労されたカウンセラーの方を、これまでたくさん見てきました。その経験から、自信を持ってそう申し上げられます。

最初の一歩は、とても大切です。最初に間違った勉強の仕方をしてしまうと、変な癖がついてしまい、売れないカウンセラーへの道を、まっすぐ歩んでしまうことになりかねません。

これまで、売れないカウンセラーの方を数多く見てきた私が、いつも強く感じるのは、「皆さん、臨床にはあまり役に立たない勉強を、随分たくさんしてこられたのだなぁ」ということです。どうぞ、あなたの大切な時間と労力、そしてお金を、無駄にしないでいただきたいと思います。

① カウンセリングの理論(國分康孝)

精神分析、来談者中心療法、行動療法、心理テスト、交流分析、ゲシュタルト療法、実存主義的アプローチ、論理療法についての理論が、わかりやすい例とともに紹介されています。カウンセラーであれば、ぜひ手元に置いておきたい一冊です。

② カウンセリングの技法(國分康孝)

心理学は、もとをたどれば哲学から始まった学問です。ですから、自分自身の思想を持たなければ、うまくいかないのは、ある意味当然のことなのでしょう。著者は、「自分自身の考えをしっかりと持ちなさい」と、カウンセラーの卵たちを励ましています。

③ カウンセリングの原理(國分康孝)

カウンセリングとは、クライアントに対して何をすることなのか。それを、とてもわかりやすく説いてくれる一冊です。カウンセリングをゼロから学ぶ方にも、学びすぎて少し頭でっかちになってしまった方にも、お勧めしたい本です。

④ カウンセリング入門(河合隼雄)

超初心者から、カウンセリングを指導する立場の方まで、幅広く役立つ一冊です。カウンセリングのやり方を、実践を通して直接指導した、貴重な記録がそのまま収められています。ライブならではの臨場感が魅力です。「入門」と銘打ってはいますが、プロの心理臨床家が読んでも、得るものが多い内容になっています。

⑤ カウンセリングの実際問題(河合隼雄)

カウンセリングとは何か。人生相談や、友人からのアドバイスとは、どう違うのか。「ただ受容していればいいのか」というと、そう簡単には進まない現実がある。著者の、クライアントとの真剣勝負とも言える生々しい事例が、大変興味深い一冊です。

⑥ カウンセリングの治療ポイント(平井孝男)

心理療法やカウンセリングを行ううえで、セラピストが心に留めておくべき、基本的かつ重要なチェックポイントが、長年の臨床経験に基づいて、体系的にまとめられています。

⑦ 心の病いの治療ポイント―事例を通した理解(平井孝男)

心の病いの複雑な治療過程が、ポイントごとに、わかりやすく書かれています。逐語録を用いるなど、具体的で実践的な内容で、治療者はもちろん、患者さんやご家族にとっても、良い手引き書になると思います。

⑧ カウンセリング演習(福島脩美)

カウンセリングを学ぶ方のためのガイドブックであると同時に、この本の演習を通して、自分自身がクライアントとなり、カウンセリングを体験することを目指した一冊です。

⑨ カウンセリング方法序説(菅野泰蔵)

現場のカウンセラーに必要なのは、カウンセリングが「わかる」ことよりも、カウンセリングが「できる」ことです。簡単なようで難しい、ごく普通の、あたりまえのカウンセリングについて、丁寧に解説されています。

⑩ 傾聴術―ひとりで磨ける“聴く”技術(古宮昇)

身近にありそうな例が、練習課題として出題されていて、「自分ならどう応答するだろう」と考えながら読み進めることができます。まるで、プロから個人指導を受けているような気持ちにさえなる一冊です。

⑪ カウンセリングの実技がわかる本〈上巻〉(山本次郎)

主に、カウンセリング講座の受講生に向けて書かれた本ですが、これからカウンセリングを学びたい方にとっても、非常に役に立つ知識が豊富に詰まっています。

⑫ 心理療法と臨床心理行為(東山紘久)

臨床心理行為という概念の必要性、母性社会の問題と超自我・自我理想の崩壊、専門的秘密と守秘義務、クライアントとの出会い、不登校を分類することに意味はあるのか、といった、心理臨床に関わるさまざまな問題を論じた紀要論文がまとめられている一冊です。

⑬ 思春期・こころの病―その病理を読み解く(吉田脩二)

思春期の精神医療に打ち込んでこられた著者が、豊富な診療経験をもとに読み解く、思春期のこころの病理。その背景に浮かび上がってくるのは、日本人の人間関係、日本の家庭・学校・社会に、根深く潜む病理です。誰にでもわかる言葉で、思春期の精神医学について、総合的に書かれた一冊です。

⑭ 精神療法家の仕事―面接と面接者(成田善弘)

現場で起こりうる具体的な状況に即しながら、臨床家にとっての面接の重要性、精神療法面接の過程と技法についての、著者の臨床的な知見が語られています。精神療法家に何が求められているのか、面接者自身のメンタルヘルスやライフサイクルにも触れながら、職業としての精神療法家の実情を明らかにしている一冊です。

⑮ 追補 精神科診断面接のコツ(神田橋條治)

面接技術の錬磨に生涯をかけてきた著者の、20年以上にわたる自伝的な歩みを軸に、臨床経験を通して創造と検証を重ねてきた理論体系が紹介されています。精神医学、臨床心理、教育など、面接に関わるすべての方にとって、必読と言える一冊です。

⑯ ターミナルケアの場面(看護とカウンセリング)(吉田哲)

援助者は、不用意な言葉で、相手の心を傷つけてしまうことが少なくありません。援助者は、どうすれば、クライアントに心の行き届いた対応ができるのか。そのことが書かれた一冊です。

⑰ 事例に学ぶ不登校の子への援助の実際(小林正幸)

担任教師とカウンセラーの関わり方の勘所が、不登校のタイプ別、段階別に、具体的に解説されています。私自身、この本に出会わなければ、長きにわたって、スクールカウンセラーの職を務めることは、できなかったのではないかと思っています。

⑱ 喝采症候群―独断的パラノイア論(木田恵子)

精神分析の面白さ、奥深さが書かれている一冊です。読み進めていくと、保護者が乳幼児に与える影響の怖さと、同時にその素晴らしさが、理解できるように思います。

⑲ 究極のエニアグラム性格学―人の性格って、おもしろい!(竜頭万里子)

自分の性格に疑問を感じたり、人間関係で悩んだりしたことはありませんか。血液型や心理テスト、占いなどで、性格というものを誤解してしまってはいませんか。私が、性格学に詳しくなったのは、この本に出会ったことがきっかけでした。

⑳ 精神医学ハンドブック 第6版―医学・保健・福祉の基礎知識(山下格)

精神医学を学ぶ方にとって、まさに実用的な一冊です。常に最新の知識を持っていなければ対応が難しい精神医学という分野において、著者は、的確な情報を、わかりやすく書き記してくださっています。

売れている本と、名著は違う

不思議なもので、本当に役に立つ名著は、意外と売れていないことがあります。 売れる本というのは、誰が読んでもわかりやすく、面白い本。今、流行りの旬な本です。 一方、名著というのは、専門家など、読む人が読めば深く得るものがある本。いつの時代に読んでもためになる、普遍的なことが書かれている本です。

ここでご紹介した本は、臨床家を目指すあなたに、どれもぜひ手に取って、実際に読んでいただきたい、欠かせない本ばかりです。

ちなみに私は、心理学、精神医学、カウンセリングに関する本を、これまでに1,000冊以上読んできました。その中から、今回は特別に、20冊を選りすぐりました。本当は10冊ほどに絞りたかったのですが、どうしても絞りきれませんでした…。

おわりに

私は、公認心理師という国家資格を持ちながら、日々、臨床の現場に立ち続けています。ここでご紹介した本は、どれも、私自身がカウンセラーとして歩んでいく中で、実際に支えとなってくれた本ばかりです。良い本との出会いは、良い師との出会いに、よく似ていると思います。

もし、これからカウンセラーを目指す方で、勉強の仕方に迷っていらっしゃるようでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。そして、カウンセラーを目指していらっしゃらない方でも、心の中に、ご自身では整理しきれない思いを抱えていらっしゃるようでしたら、どうぞ一度、カウンセリングルームにお越しください。あなたにとって良い一冊との出会いのように、良いカウンセリングとの出会いも、きっと、これからのあなたの支えになるはずです。


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