惜福・分福・植福

惜福・分福・植福


症状が消えたクライアントから、悩みが解消したクライアントから、「幸せになりすぎて、何だか怖いんです」と言われることがあります。

そんな時、私は、「惜福・分福・植福(せきふく・ぶんぷく・しょくふく)」という言葉を、クライアントにプレゼントすることにしています。失うことを恐れてばかりいると、今ある幸福まで、手放してしまいかねませんから。

不安とは、将来に対するマイナスの願望だと言われています。 ですから、不安は、哀しくも的中してしまうことが多いのです。

惜福・分福・植福とは

惜福(せきふく)とは、幸福を惜しむこと。「粗末にしないぞ」と、心がけることです。

分福(ぶんぷく)とは、幸福を人に分け与えることです。 自分ひとりだけの幸福というものは、ありえません。周囲の人が幸福であってこそ、自分もまた幸福でいられるのです。幸福を惜しむ気持ちは大切ですが、それを独り占めにしようとするのは、あまり感心できません。

植福(しょくふく)とは、幸福を植えることです。 これから先も幸せであり続けられるように、今のうちから幸福の種をまいておくこと。精進、つまり正しい努力を、これからも続けていくことです。

私自身も、実践してきたこと

カウンセラーとして、どうにか食べていけるようになった時、私は、この「惜福・分福・植福」という言葉を、毎日実践するよう心がけました。

調子に乗らないこと。天狗にならないこと。散財しないこと。無駄遣いをしないこと。 毎月、お金を寄付すること。困っている人を助けること。お世話になった方にお返しをすること。 若いカウンセラーを育てること。自分自身をさらに磨き続けること(自分への投資)。そして、実際にお金を投資すること。

これらを、少しずつ、日々の中で積み重ねてきました。

※ この言葉は、明治の文豪、幸田露伴先生がおっしゃった言葉です。 誰から教わったのか、どの本で読んだのか、今では正直、はっきりとは覚えていません。貧しく、食うや食わずで暮らしていた頃には、この言葉を思い出すことすらありませんでした。どうにか食べていけるようになってから、急に、思い出したのです。

おわりに

幸せになった時、その幸せを怖がってしまう。これは、決して珍しいことではありません。手にしたものを失うことへの不安は、多くの方が抱える、自然な感情です。

それでも、その不安に飲み込まれてしまうのは、もったいないことだと思います。惜福・分福・植福という言葉は、幸福を守ろうとして身構えるのではなく、幸福を大切にしながら、周りにも分け与え、これから先へと育てていく。そんな、しなやかな向き合い方を教えてくれます。

もし今、あなたが手にしている幸せを、どこかで怖いと感じていらっしゃるなら、その気持ちを、ひとりで抱え込まないでください。その不安の正体を一緒に見つめ、幸せを手放さずにいる方法を、カウンセリングの場で、一緒に探していきましょう。


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