ゲシュタルトの祈り

私が大好きな詩「ゲシュタルトの祈り」

私には、昔から大好きな詩があります。
それが、フレデリック・パールズの「ゲシュタルトの祈り」です。

パールズは、ゲシュタルト療法の創始者の一人として知られる心理療法家です。
この詩は1969年の Gestalt Therapy Verbatim に収録されています。

「あなたはあなた、私は私」

この詩の中でも、私が特に好きなのが、「あなたはあなた、私は私です。」という考え方です。

人は、ときどき相手の期待に応えようとして無理をします。
「親に認めてもらわなければ」
「嫌われないようにしなければ」
「相手の期待に応えなければ」

そんなふうに頑張り続けているうちに、
いつの間にか「自分がどうしたいのか」が分からなくなってしまうことがあります。

でも、本来、人間は一人ひとり違う存在です。
私は私。あなたはあなた。
相手には相手の人生があり、私には私の人生があります。

これは、冷たい考え方ではありません。
むしろ、相手を一人の人間として尊重するために、とても大切な考え方だと私は思っています。

「心が触れ合う」ことは、とても素敵なこと

ただし、この詩は「人と関わらなくてもいい」と言っているわけではありません。
私がこの詩を好きなのは、その後に続く考え方があるからです。

「もし心が通わなかったとしても、それはそれで仕方のないことです。」

人と人は、いつでも分かり合えるわけではありません。
どれだけ努力しても、どうしても分かり合えない人もいます。
それを無理に合わせようとすると、どちらかが苦しくなります。

一方で、たまたま出会った二人の心が通じ合い、
「この人と話していると、なんだか安心する」
「この人とは自然に話ができる」ということがあります。

私は、そういう出会いは、とても素敵なことだと思います。
カウンセリングも、ある意味ではそういう「心が触れ合う時間」なのかもしれません。

私がカウンセリングで大切にしていること

私は、クライアントさんに「こう生きなさい」と押しつけるカウンセリングはしたくありません。

その人には、その人の人生があります。
私には私の人生があります。

だからこそ、その人が自分自身の気持ちや考えを見つけていくことを、そっとお手伝いしたいと思っています。

「あなたはあなた、私は私」。

この言葉を大切にしながら、それでも一緒にいる時間の中で、
ふっと心が通じ合う瞬間があれば、それはカウンセラーとして、とても嬉しいことです。


私は、この詩を大切にしています

「ゲシュタルトの祈り」は、私にとって単なる有名な詩ではありません。
人と人との距離について考えるとき、そしてカウンセリングについて考えるときに、思い出す大切な言葉です。

もし今、誰かの期待に応えようとして苦しくなっている方がいらっしゃったら、
「私は私。あなたはあなた」という言葉を、少しだけ思い出してみてください。

自分らしく生きることと、人を大切にすることは、決して反対ではないのだと思います。


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