考察 メールカウンセリング
ホームページを作った時、
まさか自分がメールカウンセリングをするとは思ってもいませんでした。
カウンセリングルームの所在地と、カウンセリングの料金・受付時間などを書き、ついでに本の宣伝を書いたら他に書くことなど思いつきませんでした。平成12年、夏の終わりのことです。
そのうち、これではいかん。これでは誰も見にくる筈がないと思い始めました。
それで、ストレスチェックを作りました。そうこうしていたら、「掲示板を作ればアクセス数が伸びる」という噂を聞き、掲示板も作るようになりました。
そうやってそうやって、暇を見つけては、コンテンツを増やしていきました。
そうこうしているうち、メールを頂くようになりました。用件は、主に、「カウンセラーになりたいのだが…」というものと、「悩みがあるのですが…」というものでした。
前者の方には、テキストと情報を売るということで対応したのですが、後者の方には、正直困りました。「カウンセリングを受けたいのなら、こちらまで来て下さい」と言いたいのですが、あいにく遠い方ばかりでした。それで、当時、正確に言うと、平成12年の暮れ頃までは、「他の心系のサイトの運営者の方に相談されてみてはいかがですか?」なんてことを言っていました。
中には、私の本を読んで下さっている方がいて、「先生にカウンセリングして欲しいのです」と言われるのですが、その時の私は、「メールカウンセリングの効果なんてあるのだろうか?」と半信半疑で、全然するつもりなどありませんでした。それに、当時(今でもそうですが…)、インターネットの世界には、「無料でメールによる相談お受けします」と言う奇特な方もいらっしゃって、「私が有料でやります」と言ったところで、ほとんど誰も利用なんかしないだろうと思っていたのです。
それでも、やるやらないに関わらず、問い合わせは日々増えていきました。
その度に、「他のメールカウンセリングをやってらっしゃるサイトのところへ行かれたらいかがですか?」なんてのんきに答えていた私に、ある日、「では、安心して受けれるところを紹介して下さい」と強い口調で言ってこられた人がいました。その時、初めて私は、ちゃんと答えられない自分に気がついたのです。
それで、「ここなら…」と安心して紹介できるところを、自分なりに幾日も探したのですが、やっぱり見つけられないのです。中には、無料とは名ばかりで、不安ばかりを煽り、物を売ろうとしているところもありましたし、多くは、何の専門知識もなく、相談を受け付けますといっている状態でした。(もちろん、中には、優良なサイトもあると思うのですが…)
「これじゃあいかん、だったら、私が責任を持って、メールカウンセリングをやるか。」となったのです。メールカウンセリングを始めてみて、「良かった」と思うことがいくつもありました。例えば、私が当然知っていて、常識だろうぐらいに思っていることが、クライエントの方は知らず、それを伝えると、大変喜ばれるということです。
私がメールで話すことは、特別なことではありません。心理学と精神医学の知識にのっとって言っているに過ぎません。ですから、図書館に行って探せば、私の話していることなど、どこかの書物に書いてある筈です。でも、多くの方は、そんな私の書いた文章を読んで、「大変勉強になった」と喜んでくれるのです。これは、大きな驚きでした。
考えてみれば、自分の知りたいことを、いざ調べようと思って図書館に行っても、そのような書物を見つけるのは非常に時間がかかるし、一歩間違うと、誤った情報を得てしまう可能性にさらされるわけですから、当然といえば当然なのかもしれません。
メールカウンセリングを始めてみて、多くの方は、知らないばかりに、誤った方法・誤ったものの考え方を繰り返しているということを知りました。また、正しい方法を知っていても、誰か、私のような者が応援していないと、続けられなかったりするものだということも知りました。
たかが文章といえど、されど文章です。私のつたない文章が、症状と戦い続けるクライエントの大きな励みになるということは、私にとって大きな発見であり、大きな幸せです。「メールカウンセリングによって助かった」という声を数多く頂戴するようになりました。
文章を書くのが嫌いな方には、とっつきにくいかもしれませんが、ぜひ1度メールカウンセリングの利用を検討されてみては如何でしょうか。お医者さんに通われている方も、お医者さんには聞きにくいことでも、私には、聞きやすいのではないかと思います。どうぞ、利用されることを検討してみて下さい。
以上、メールカウンセリングの考察でした。
今は、メールカウンセリングをやめて、メール相談を始めています。
心の金曜日